ロボット工学の10の課題【海外論文のまとめ】

・ロボット工学って何が課題なの?
・ 今どのような分野が注目されているの?
 

こんにちは、るい(@CenotenBlog)です。

本記事は上記のような悩みを解決できる様に書かれています。

以下が本記事の内容です。

✔︎ロボット工学の10の課題

1. 新しい材料と製造方法

2. バイオハイブリッドおよび生物模倣ロボット

3. 新しい電源やバッテリーテクノロジー、エネルギー収穫方法

4. 群としてのロボット

5. 極端な環境でのナビゲーションと探索

6. ロボット工学のための人工知能(AI)

7. ブレイン・コンピューター・インターフェース

8. 社会的相互作用

9. 医療用ロボティクス

10. ロボットの倫理と安全性

この記事を書いている僕は、大学で機械工学を専攻し、国立研究機関にて、ロボットに関する研究を行っています。

これら10個の課題は、一昨年の『SCIENCE ROBOTICS』で掲載された”The grand challenges of Science Robotics”という論文を基にまとめています。

では早速始めていきます。

ロボット工学「10の課題」

ロボット工学の10の課題は以下の通りです。

✔︎ロボット工学の10の課題

1. 新しい材料と製造方法

2. バイオハイブリッドおよび生物模倣ロボット

3. 新しい電源やバッテリーテクノロジー、エネルギー収穫方法

4. 群としてのロボット

5. 極端な環境でのナビゲーションと探索

6. ロボット工学のための人工知能(AI)

7. ブレイン・コンピューター・インターフェース

8. 社会的相互作用

9. 医療用ロボティクス

10. ロボットの倫理と安全性

「10の課題」のうち、最初の7つの課題は、今後のロボット工学の基盤となりえる技術についてです

これらの技術は、ロボット工学の応用分野をより拡大することが期待されています。

次の2つの課題は、ロボットとの社会的相互作用や医療ロボットがもたらす社会及び健康への影響です。

最後の課題は、ロボット技術の発展に伴い、倫理と安全性をどの様に検討していくかについてです。

それぞれ、1つずつ解説していきます。

新しい材料と製造方法

近年、世界中で人工筋肉を始めとする、ソフトロボット用の材料や新たな製造方法、組み立て方法を調査する研究が盛んになっています。

エネルギー効率が高く多機能で順応性が高い新材料の開発は、次世代のロボットの誕生の可能性を秘めています。

しかし、これらの新しい材料の製造方法などは大規模的な導入がむずかしかったり、一度のみしか使用ができないなど、いくつかの基本的な問題を抱えています。

この基本的な問題としてまず、エネルギーの貯蔵技術や環境発電に関する改善の必要があります。

また、新たなロボットの機能として、調整可能な新材料の特性を備えた自己修復や自己組み立てなどができるロボットの製造戦略の必要性などがあります。

バイオハイブリッドおよび生物模倣ロボット

バイオロボティクスの課題は、過去30年間ほとんど変化していません。

その課題とは、生物の代謝に匹敵するエネルギー変換機能(バッテリー)、筋肉のようなアクチュエータ、自己修復が可能な材料、あらゆる環境での自律性、人間のような知覚、また最終的には計算や推論を行うことです。

現在のバイオロボットは動物と比較しエネルギー効率が大きなボトルネックとなっています。

またバイオロボットの実用性を測るための現実世界を完全に再現できるシステムがありません。

新しい電源やエネルギー貯蔵方法

電子システムに関しては、電力とエネルギー源は、特にモバイルロボット工学において、ロボット工学の研究と開発のもっとも困難な分野の1つです。

水中および特に深海の探査には、厳しい条件や極端な環境で動作できるように、コンパクトで安定した高エネルギー密度のバッテリーが必要です。

ドローンと自動運転車の数の増加は、より長いサイクル寿命、温度耐性が優れており、より高いエネルギー密度、比較的軽量であり、安全で手頃な価格の新しいバッテリー技術の開発を促進しています。

ロボットが非構造化環境で長時間ワイヤレスで動作するためには、周囲から有用なエネルギー(太陽光や振動など)を抽出し、非常にエネルギー密度の高いストレージに貯蔵する必要があります。

現在のあらゆる規模の生物機械と比較して、ロボットは通常、非常にエネルギー効率が悪いです。

ロボット工学では、生物と同様の動作を実現するためにエネルギー貯蔵技術のシフトが必要になります。

したがって環境発電技術(機械、熱電、光起電、電気化学など)と無線電力伝送の開発は、ロボット工学の電力とエネルギーの課題に対処する上で重要な役割を果たすことが期待されています。

群としてのロボット

ロボット群は、よりシンプルで安価に手元のタスクに応じてチームを再構成することができます。

ロボット群で用いられるロボットは、単体では目標を達成することはできませんが、他のロボットと連携して、複雑な問題を解決し、ミッションを完了することができます。

極端な環境でのナビゲーションと探索

ロボットのナビゲーション技術として、何よりもロボットがマッピングされていない環境で動作できる必要がありますが、時には、その環境の性質そのものが未知であることがあります。

例えば原子炉の廃止措置を行うロボットなどです。

彼らは放射線と制限されたアクセスに耐える必要があります。

また、それほど遠くない将来、ロボットが遠方の惑星表面に着陸するようなタスクを引き受けることがあるかもしれません。

ロボット工学と人工知能(AI)

ロボット工学のための人工知能の課題は、動的かつ不確実な環境に適応して、その場で学習できるようにすることです。

AI技術はロボット工学の基盤として長い間研究開発されてきました。

その後ディープラーニングの出現により、物体認識の精度が非常に高くなりました。

しかし、人間の知性を複製し、またそれを超えるためには、まだ長い道のりがあります。

この分野で有望なアプローチの1つの例として、人間の海馬に関する神経科学の調査に基づいて開発された、未知の事象に対する予測システムがあります。

ブレイン・コンピューター・インターフェース

ブレイン・コンピュータ・インターフェースの分野では、脳と機械の間で情報を伝達する方法を研究しています。

使用者の身体能力とは無関係に、脳からの伝達情報から、人間の能力を増強させたり、また使用者の身体的機能を回復する新しい方法の1つとなります。

運動機能のリハビリテーションが必要な患者に対して、この技術はある程度の成功をおさめています。

しかし、高価であることや必要なデータを取得する際に、長時間のトレーニングや使用者ごとの微調整が必要です。

また上記の課題から、この技術がアイトラッキングや筋肉ベースの機械を使用するよりも優れているかどうかは未だ不明です。

さらなる課題は、自由度の高いタスクを扱うことです。

現在のマルチクラスBCI分類では、個人およびタスク全体の一般化が不十分です。

社会的相互作用

私たちにとって社会的相互作用は日常生活で当たり前のように行われています。

しかし、これはロボットにとって複雑な課題です。

ロボットを人間の実環境に配置する動きは近年よく見られますが、社会的相互作用に対処する必要があります。

しかし社会的相互作用は、知覚の情報が非常に重要であり、ロボット工学にとっては大きな挑戦です。

医療用ロボティクス

Intuitive Surgical社da Vinci(ダ・ヴィンチ)と呼ばれる手術支援ロボットは外科手術用途をターゲットとする多くの商業的ベンチャーに拍車をかけました。

医療用ロボッティクスは、コストや結果の点で今後も健康管理を改善すると予測されます。

また、医療ロボット工学の別の新興分野はマイクロおよびナノロボット工学です。

この分野で注目を集める研究グループの数が増えています。

ロボットの倫理と安全性

自律性と、人とロボットの相互作用のレベルが高まるにつれて、潜在的な規制、倫理、法的障壁などを慎重に検討する必要があります。

ロボット工学とAIはデータによって支えられているため、特に同意、差別、公正さ、所有権、プライバシー、監視、および信頼などの課題があります。

最後に

長くなりましたが『SCIENCE ROBOTICS』で掲載された”The grand challenges of Science Robotics”という論文の「10つの課題」から、ロボット工学の課題とは何か、また今注目されている技術とは何かをまとめてみました。

下記に論文のリンクを掲載して置きます。
▷▷”The grand challenges of Science Robotics”

こちらはロボットの簡単な未来像について、書かれている本です。

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